いつが買い時?

「いつが買い時か?」これを大きな問題です。一般的に、基準価額が下がる投信は買いか?というテーマがあります。基準価額が低い投信というのは、それなりの理由があります。 通常は、1口10000万円で設定されます。それが10000以下ということは、何らかの要素があって価額が下落したのです。
前項では1口11000円の投資信託でしたから、値上がりしたものを買い、それが更に値上がりしたわけです。さて、初めての投資信託購入で、基準価額が10000円を割っているので、これは買い得だと思って購入しようとする人は結構多いと思います。ところが、そうした投信を買ってしまって、その後基準価額が下がり続けるということもあるのです。基準価額が下がっているから買い、基準価額が上がっているから買ってはいけないと単純に決まっているわけではありません。むしろ、基準価額がどうして下がっているのか見極めないと、損失を出してしまう可能性が高まります。
新たな投資信託の募集を行う際は、1口1万円から始まり、通常売買単位である1万口で10000万円となっています。基準価額が下落する理由はいくつかあります。まずは、利益が出ていないのに総口数が増加しているケースです。ファンドが出す利益よりも受益権の総口数が増えてしまった場合です。つまり、運用が不調なファンドなのに、人気があって出資が集中しているということです。
この世界では、こんな話はざらにあり、殆どが毎月分配を謳う投資信託です。日本国内で株高が続けば、無理な分配をするファンド以外は基準価額が上がる傾向にあります。投資信託が値を上げている中、基準価額が下がるような投資信託は買いではないということです。
次は円安になっているケースです。海外のハイイールド債などの投資信託の中に、債券投資とは別に為替投資も行い、為替差益やスワップでの利益を得ようとする場合です。いわゆる通貨選択型のもので、こうした投資信託の基準価額は、為替相場の影響を受けます。つまり円高方向に動けば基準価額が下がるのです。対象国通貨が円安方向に動く予想があれば、買っておいて損はありません。基準価額が下がる投信は買いなのか?と言えば、基準価額がなぜ下がったのかを見極めるのが先決で、今後上がる可能性があるのであれば買いです。